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学生デザインレビュー2006開催報告
デザインレビュー委員長 末廣香織

去る3月20、21日に学生デザインレビューが開催された。九州を中心に全国から117作品があつまり、会場では熱心な議論がおこなわれた。過去最高の出品数で、学生の自主企画である卒業設計展と同時開催したこともあって、最初の頃のように卒業設計の割合がぐっと増えた。クリティークも伊東豊雄、五十嵐太郎、桂英昭、藤浩志、古谷誠章、ヨコミゾマコトの各氏にお願いしたが、今年のクリティークは豪華だとも学生から言われた。運営側は特に知名度で人選を意識しているわけではないが、やはりハタから見るとそういうことだろう。

(2日目)クリティーク、右より桂英昭、五十嵐太郎、藤浩志、ヨコミゾマコトの各氏 (2日目)トーナメント形式で議論は進んだ。右よりクリティークの伊東豊雄、古谷誠章、実行委員長で田上健一の各氏
 

作品数と卒計の増加に伴って、今年の参加作品はレベルが上がったように思う。最初は作品全てが会場に収まるかどうか心配だったが、先生方の努力の甲斐あって窮屈ながらも何とか収まった。さすがに作品数が多くなると全てを見る時間がない。ポスターセッションの2時間はあっという間にすぎてしまった。公開審査の最後に投票によって2日目に進む10作品を選出し、JIA全国卒業設計コンクールの九州代表も同時に選出した。その後、参加者は会場でのパーティーと2次会を楽しんで1日目は終了した。

最優秀となった大西さんの「図書x住宅」 1日目投票会場の様子
 

2日目は、まず10作品のプレゼンテーションと講評をおこなった。そして最終的にトーナメント方式で最優秀作品を選んでいった。最優秀の「図書x住宅」は展示の時から抜群に目立っていた大西さんの作品だったが、講評で伊東さんは完全にベタボメ状態だった。こうしたプロジェクトが作り出せる才能が、将来どういう形で世に出てくるのか楽しみである。クリティークとしては、予想通り桂先生が素晴らしくおもしろいコメントを連発してくれた。投票行動から、他のクリティークとは一線を画してまとめ取りするし、場の盛り上げ方を心得た活躍だった。芸術家としてのちょっと違う視点から発言してくれた藤さん。冷静なようでトーナメントになると結構熱くプロジェクトを推した五十嵐さん。何かと常識的判断を避けようとするヨコミゾさん。いちばん奔放に発言する伊東さん。そして冷静に全てをまとめてくれる古谷さんとクリティークのバランスも最高だった。作品はというと、結果として京都大と九州芸工大が際だっていたのだが、選ばれた作品はそれぞれに個性的だった。トーナメントではおよそ比べようもない作品を比較するのがおもしろいところで、完成度の高いものが勝ち残るとも限らない。今回プレゼに残った唯一の3年生河内さんの「ハンカチ」や決勝に残った都島さんの「香春岳人工鉱山プロジェクト」は意外性のある作品の典型だろう。議論の中で女の子優位ではないかという話も出ていたが、確かに男の子の作品は堅かったかもしれない。卒業設計らしい正当派の力作が並ぶ中で、意外性のある作品がスパイスになって会場はとても盛り上がったのだ。

2日目プレゼンテーションの様子(大西さんの発表)
 

このイベントは多くの企業や個人の暖かい協賛金によって成り立っている。また、多くの実行委員や学生スタッフの献身的ボランティア精神によって運営されている。主催者の一人としてこの場を借りて感謝したい。

最優秀の表彰 右は伊東豊雄氏 JIA学生設計選奨の授与
右はJIA九州支部長 田島正陽
 

以下は選出された作品リストである。

■ JIA学生設計選奨 (発表順)
藤井美沙(九州芸工大4年)、熊本麗(九州芸 工大4年)、北雄介(京都大4年)、井田岳志(九州 芸工大4年)
大西麻貴(京都大4年・最優秀)、河内尚子 (神戸芸工大3年)、石井千尋(九州芸工大4年)
都島有美(九州大4年)、堀田憲祐(京都 大4年)、金谷聡史(神戸芸工大4年)
■ JIA全国学生卒業設計コンクール参加
藤井美沙(九州芸工大4年)、熊本麗(九州芸工大4年)、井田岳志(九州芸工大4年)、
石井千尋(九州芸工大4年)、都島有美 (九州大4年)、品川千香子(熊本大4年)、百枝優(九州芸工大4年)
 
 
 
 
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